目次
生理痛がひどい!生理痛とは何?生理痛が起こる原因とは?
経血が排出される子宮口が狭い
生理の経血は子宮口から排出されます。排出の仕組みはホルモンによって、子宮を収縮させ、子宮口のポンプのような動きで経血が排出されます。生理が始まった10代、未出産の方や先天性の問題などで子宮口が小さいということがよくあります。子宮口が小さいということは、押し出す力が必要になります。すると脳は、押し出す力を補うためにホルモンの分泌量を増やします。ホルモンの分泌量が増えると、子宮口の収縮が強くなるので、生理痛が酷くなります。
年代による経血の質が良くない
年代が進むにつれて体の変化も伴います。学生から社会人、社会人から母親へとステップアップしていきますよね。生活習慣や抱えるストレスもそれぞれ変化します。ストレスを抱えてホルモンバランスが崩れたり、食生活が変わったりすると子宮環境にも影響が。ドロドロの血液は流れにくいで、狭い子宮口は通りにくいのです。
狭い子宮口からドロドロ経血を排出されにくくなると、ホルモン量をまた増やします。排出されにくい→ホルモン増加→痛みというサイクルが発生してしまい、生理痛となります。
姿勢などで経血がうっ血される
生理痛があって以下のことに心当たりがある方は、骨盤内うっ血症候群かもしれません。
・生理前から痛みがある
・鎮痛剤の効果が見られない
・生理が始まると痛みが和らぐことがある
・受診しても子宮や卵巣に異常がない
骨盤内うっ血症候群の特徴は、骨盤内で血液が滞り、腹部痛がでる病気です。痛みに個人差がありますが、重苦しい痛みというのをよく聞きます。特に生理前に痛みが出るので、月経前症候群と間違われやすいです。左側の骨盤内の血管が複雑になっているため、左側に腹部痛がでるのも特徴です。
生理痛がひどい!生理痛は腹痛(下腹部痛)だけじゃない。ほかの症状とは?
生理前に痛みが出る排卵痛
排卵痛とは、卵子が卵巣から排出する時に痛みを生じる症状です。卵子は卵巣から壁を突き破るように飛び出してくるのをご存じですか。壁を突き破る=少しキズができることになり、下腹部あたりに痛みが生じることがいえます。前回の生理が始まって約2週間後の排卵する時期に痛みがある場合は、排卵痛を疑いましょう。半日~1日痛みが続く場合や、痛みに気づかないかたいろいろいます。下腹部痛以外に、腰痛や頭痛、少量の出血などの症状があります。排卵痛は、生理現象ですので心配はないでしょう。
生理と頭痛の関係とは?
頭痛が起こる理由には様々ありますが、生理痛の時に起きる頭痛にはホルモンが関係しています。プロスタグランジンは生理時に分泌され、子宮を収縮する働きをします。このプロスタグランジンは痛みを引き起こす物質ともされています。生理時にはより多くのプロスタグランジンが分泌されるため、生理痛の他に頭痛を併発することが言えます。
頭痛薬の多くは生理痛にも効くものがあります。頭痛薬に配合されているイブプロフェンという鎮痛剤が、プロスタグランジンの生成をおさえるので、どちらの痛みも和らぎます。痛みがある時は我慢せず、薬を服用することをおすすめします。
生理の時に辛い腰痛とは?
生理の時に腰痛で悩まされている方も多いのでは。生理の時にあらゆるホルモンがでています。腰痛に関係するホルモンはリラキシンです。関節を緩める性質があります。生理時には経血を排出しやすくなるように骨盤を開く働きをします。生理前から痛みが出ることもあります。生理が始まると血行不良などが重なり、腰痛の痛みが増加すことにもなるでしょう。
腰痛は冷えからくることもあります。カイロや腹巻をして温めると、痛みが和らぎますよ。
便秘や下痢になることも!
生理前に黄体ホルモンのプロゲステロンが分泌されます。プロゲステロンは、子宮を収縮を抑制する働きをします。そのとき、腸のぜんどう運動も抑制することにより、便秘になります。
生理が始まると、プロゲステロンは減少します。次は、プロスタグランジンという子宮の収縮を促すホルモンが分泌されます。プロスタグランジンは腸の働きにも影響します。プロスタグランジンは、腸のぜんどう運動を活発にするので、下痢をが起きやすくなります。
なるべく体を冷やさないようにしましょう。お腹に優しい食事を心がけ、胃腸に負担がない和食がおすすめです。
生理痛がひどい!寝込むほど痛い【機能性月経困難症】とは?
機能性月経困難症はどんなもの?
機能性月経困難症は原発性月経困難症とも言われています。排卵周期に伴って痛みが発生します。生理開始から2日目くらいまで経血量が多く、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、頭痛、疲労やイライラなどの症状が出ます。生理の時のプロスタグランジンが過剰に分泌されることが主な原因でしょう。 初潮後2、3年後~20代と思春期に多くみられます。生理に対しての不安やストレスなどが引き金となり、機能性月経困難症を招いてしまうのです。また10代では卵巣が未熟が故、ホルモンが過剰に分泌することで子宮が強く収縮し腹痛が起きると言えます。
子宮口が狭いことも理由の一つです。出産することで子宮口が開きやすくなることから、出産後に生理痛が治まるケースも見受けられます。
機能性月経困難症の診断方法
機能性月経困難症と診断されるのは、病気が見つからなかった時です。内診、経膣超音波検査、血液検査やクラミジア、細菌培養などの検査結果により子宮や卵巣に病気が見つからなかった場合、機能性月経困難症と診断されます。
病気が見つからなかったとわかれば、一安心ですね。痛みが酷いと日常生活に支障をきたす、機能性月経困難症。早めに診断を仰ぎ、治療していきましょう。
ケアすることで和らげる
ロキソニンやイブプロフェンなどが配合された鎮痛剤の投薬が処方されます。鎮痛剤は胃を荒らしやすいので、そのときは血流をよくする漢方薬をおすすめします。最近では漢方薬を推進するお医者さんも増えてきました。漢方薬は肝臓に負担が少なく、長期服用することができます。
41℃くらいの熱めのお湯で半身浴すると、下半身の血流を良くします。腰痛が和らぎます。洗面器にお湯を入れ、くるぶしまで浸かる足湯もおすすめ!内くるぶしの上から指4つ分膝側にある三陰交は、子宮周りに効くツボです。
体へのライフケアで、ストレスフリーな体にしましょう。
生理痛がひどい!生理痛は病気が原因で起こることもあるの?【器質性月経困難症】とは?
器質性月経困難症はどんなもの?
器質性月経困難症は、続発性月経困難症とも言われます。
子宮の疾患が原因である月経困難症です。主に、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などがあてはまります。それぞれの子宮の病気について、下記に説明していますのでご覧ください。
器質性(続発性)月経困難症の治療としては、例えば子宮筋腫と診断されれば痛みの度合いや筋腫の大きさにより手術を行う場合がありますが、漢方薬や鎮痛剤での対処療法で経過を見たり、お腹にメスを入れずに超音波治療という方法もあるようです。
器質性月経困難症には何らかの病気が潜んでいる。病気となる判断基準は?
・鎮痛剤が効かない
・年々生理痛が酷くなっている
・性交するとき鋭い痛みを感じる
・肛門の奥に痛みを感じる
・血尿、血便がある
・普段から下腹部痛を感じるときがある
子宮筋腫
子宮筋腫は良性の腫瘍です。40歳以上で4人に1人の割合で筋腫をもっているとされています。子宮筋腫だからといってすぐに手術しなければならない、というわけではありません。大きさも小さいものや大きなもの様々で、大きいものだと10kgに成長する時もあります。子宮筋腫が発生する場所によって種類が分かれます。
漿膜下筋腫:子宮の外にコブができる筋腫です。特に自覚症状がありません。直腸や膀胱を圧迫し、頻尿になることもあります。
筋層内筋腫:子宮内の壁にできる筋腫です。コブができる分、経血量が増える傾向にあります。不妊の原因にも繋がる症例です。
粘膜下筋腫:子宮内膜の粘膜にできる筋腫です。粘膜は非常に弱いので、小さい筋腫でも経血量が増え、貧血になることも。粘膜下筋腫も不妊になる可能性大です
子宮内膜症
子宮内膜症は10人に1人の方が悩んでいます。生理は子宮内膜の組織が増殖し、分泌、そして剥がれていきます。
子宮内膜症は子宮内膜以外のところで増殖し、分泌、剥離といった流れができてしまうことです。それを繰り返すことで炎症や癒着を起こす病気です。特に卵管、卵巣や腸管に癒着し、癒着したところは強い痛みがでます。子宮内膜症の腹痛は生理がある度に増し、生理が終わると治まります。生理があることで進行していき、経血量も増えます。妊娠出産したり、閉経すると症状が治まることがわかっています。
子宮内膜症の中でも卵巣に癒着するとチョコレート嚢胞といいます。卵巣内で内膜組織が増殖し、血の塊がまとわりつきチョコレートのように固まります。生理を繰り返すことで癒着が癒着を起こし、どんどん大きくなります。不妊や卵巣がんのリスクが高まります。
子宮腺筋症
子宮内膜症が筋肉繊維にて起きる症状です。未だに詳しくは解明されていませんが、何らかの原因で子宮内膜が筋肉に侵入し、癒着してしまいます。子宮内膜と外側にある子宮の筋肉は密接につながっています。子宮内膜が筋肉にある程度広がると、下腹部痛が発生します。
妊娠の経験があったり、先天性により発生することがあります。ホルモンが増加すると発生することから、閉経すると治まります。がん化することは考えにくいとされています。不妊の原因になりますので、妊娠を希望する方には治療をおすすめします。
生理痛(月経痛)がひどい!生理痛の原因と詳しい症状とは?まとめ
いかがでしたでしょうか。生理痛は収縮することで痛みがでるんですね。生理痛には人それぞれの痛みの感じ方が違います。生理の期間は約3~7日、経血量は約20~140mlが平均的とされています。1時間毎にナプキンを変えなければならない量なら過多月経の可能性があります。経血量は増えすぎても少なすぎてもよくありません。痛みがあるのが普通と思わず、痛みがあって量が増えるなどがあれば受診しましょう。
本来生理痛はないのが正常なのです。生理は女性の体のバロメーターです。生理をよく観察し、自分の体のメッセージに耳を傾けてみましょう。