目次
ニキビ肌をキレイにしたい。病院でのニキビ治療はどんなことをするの?
皮脂を抑える治療
ニキビができる大きな要因は、皮脂が過剰に分泌すること。皮脂が分泌し、毛穴が塞がってしまうと、アクネ菌の温床となります。アクネ菌は、誰の顔にもいる常在菌で、皮脂と水分のバランスを整えたり、肌を弱酸性に保つ働きをしたりしています。一方で、皮脂を好むアクネ菌は皮脂をエサとして毛穴で増殖し、紫外線が当たると、ポルフィリンという毒素を排出することで、ニキビが悪化します。
しかし、皮脂を全て取り除いてしまうと、肌環境が悪くなり、バリア機能が低下することになり、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の原因にもなりかねません。皮脂の分泌を抑える治療により、ニキビ肌を改善します。
体の中から治す治療
男性ホルモンを抑制し、ホルモンバランスを整えて、ニキビを治療します。皮脂を分泌する理由には、ホルモンバランスの乱れがあります。特に思春期には、成長ホルモンが発達する過程の中にありすから、バランスが崩れやすい時期です。大人になっても、ストレスや生活習慣が不規則であれば、ホルモンバランスが崩れることがあります。
皮脂を分泌するホルモンは、男性ホルモンです。男性ホルモンは、男女共に分泌されています。ストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールという、抗ストレスの役割をするホルモンが分泌されます。コルチゾールは、男性ホルモンの分泌を活発にする作用があり、皮脂の分泌量が増加するということです。
再発予防の提案
皮膚科の治療でも、ニキビへの対処治療だけではありません。ニキビの連鎖を食い止めるべく、再発を予防するための策を提案してくれます。例えば、生活習慣を改善するアドバイスや、投薬を用いてニキビを根本的に治療するなどがあります。
ニキビ体質を変える方法として、漢方薬を処方してくれる皮膚科もあります。漢方薬は、自分の体質にあったものを選んでくれます。炎症ニキビには炎症を抑えるもの、老廃物の流れを良くしホルモンバランスを整えるものなど様々漢方薬があります。ニキビのみならず、体の不調なところも改善することもありますので、気になる方は医師にご相談くださいね。
病院でのニキビケア。保険が適用されるニキビ治療とは?
面皰圧出法という治療
ニキビは毛穴に皮脂がつまり、炎症します。皮脂が詰まり、真ん中に芯が出来ることありますよね。芯のことを「面皰(めんぽう)」といいます。コメドともいわれています。やり方は、ニキビにレーザーや針を使って小さな穴を開け、器具を使い、面皰を取り出します。面皰圧出は、皮膚科ではメジャーな治療法で、もちろん保険適用です。
早くニキビが治る効果や、レーザーの熱には殺菌効果があるということが、再発防止となります。自分でもできそうですが、失敗すると跡が残る危険性があるため、皮膚科で行うことをおすすめします。
外用薬の投薬治療
塗り薬
·ディフェリンゲル15g
ゲル状の軟膏で、アダパレンという有効成分が0.1%入っています。アダパレンという成分は、トレチノインとよく似た働きをします。トレチノインは、ビタミンA誘導体でピーリング作用があります。毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビが生成されるまえに予防もしてくれます。
·ダラシンTゲル10g
クリンダマイシンを主成分とする抗生物質です。リンコマイシン系の抗菌剤です。ニキビの原因菌アクネ菌は、タンパク質からできる角質細胞を分解しニキビを悪化させますが、クリンダマイシンはタンパク質の合成を阻害し、ニキビを予防します。
効果は遅く、約1週間ほど続けてみてください。効果がでないと、早くやめてしまう方が多いようですが、しばらく様子をみてみましょう。
·アクアチム軟膏1%
ナジフロキサシンが有効成分で、ニューキノロン系の抗生物質です。初期のニキビから炎症が悪化したニキビまで、殺菌効果が見られます。背中ニキビの原因菌、マラセチア菌にも効果的です。軟膏は、皮膚を柔らかくし、薬剤を浸透しやすくしてくれます。少しベタつきが気になる方は、クリームをおすすめします。
·べピオゲル
2015年4月から保険適用となったニキビ治療薬です。過酸化ベンゾイルという有効成分が、ピーリング効果、アクネ菌による炎症を抑える効果があります。従来のディフェリンゲルでは、抗生物質を一緒に使わなければならなかったところ、べピオゲルでは1本でことを足るので、これからはニキビ治療薬の主力となるでしょう。
内服薬の投薬治療
·ブルフェン
CMでよくみる、イブプロフェンが配合されていて、炎症や痛みを抑える働きがあります。炎症や発熱などを引き起こすプロスタグランジンという物質があります。その物質の生成を抑えるのが、イブプロフェンです。赤ニキビや黄色ニキビなどの炎症を早く治めてくれるので、治りも早いでしょう。
·ミノマイシン
ダラシンTゲル軟膏と同じような作用で、ニキビの繁殖を抑える効果があります。テトラサイクリン系の抗生物質です。アクネ菌のみならず、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌などにも効果的です。ニキビ治療ではポピュラーで、まず、最初に処方されます。
·クラビット
咽頭炎、肺炎、気管支炎などの細菌を抑える抗菌薬です。皮膚科では、アクネ菌に対して処方されます。クラビットはニューキノロン系の抗菌薬で、炎症も抑える働きがあります。
·ビタミン剤 シナール配合錠
ビタミンCとパントテン酸を配合したビタミン剤です。ビタミンCは、シミなどの色素沈着を抑え、パントテン酸は荒れた肌を整える働きをします。体のうちからから、アプローチできます。
病院でのニキビケア。保険が適用されないニキビ治療(実費診療)とは?
ケミカルピーリング
皮膚科でケミカルピーリングの相場は、1回5000~20000円です。ピーリングとは、ピーリング剤を使って肌の表面の皮膚を剥がし、ターンオーバーが活発になります。ターンオーバーが遅くなると、皮膚が剥がれ落ちず、肌が固くゴワついたり、ニキビが悪化してしまうことも。古い角質を取り除くことで、毛穴が開き、詰まった皮脂が取れやすくなり、ニキビを予防できます。
ケミカルピーリングでよく使われる薬剤は、サリチル酸、グリコール酸、トリクロロ酢酸です。やり方はほぼ一緒で薬剤を顔に塗り、ニキビなどの症状にあった時間をおいてから、洗顔して終了という流れになります。ニキビ以外にも、くすみや小じわ、シミやソバカスが薄くなる効果も実感していただけます。
光線療法
繰り返しできてしまうニキビにおすすめの光線療法。レーザー治療の機械より、何種類もの波長の光を混ぜることができます。ニキビ以外にも効果を発揮する、光線療法は、自由診療という観点から、1回で10000円以上の費用がかかります。光線療法は、ニキビ専用の器具をあて、吸引した皮脂に光をあてて殺菌します。終了後は、すぐに洗顔ができます。
イオン導入
抗酸化作用がある、ビタミンCを専用の器具を用いて、直接皮膚に与えます。器具を用いることで、肌の奥深い深層部まで染み込みやすくなり、炎症を伴うニキビや、赤みなどに効果があります。ピーリングと同時に行うことが多いです。イオン導入も自由診療となりますので、1回につき5000~10,000円ほどかかります。
ニキビ肌をキレイにしたい。皮膚科と美容皮膚科とでは何が違うの?
疾患があるかないか
疾患があり、それに基づく症状に対して治療をするのが、皮膚科です。ニキビもれっきとした病気で、尋常性ざ瘡という名前があります。皮膚科に診察に行き、疾患があれば、保険適用になります。保険診療では、国の保険制度で金額が決まっていますので、皮膚科の診察料はどこの皮膚科でも、同じくらいといえるでしょう。
美容皮膚科は、大まかにいうと、医学的に必要なことではないので、保険適用にはなりません。症状に対して、治療をするわけではないのです。シワを伸ばしたり、シミソバカスを消したり、美容改善を基本とした美容皮膚科なんですね。
治療の範囲が違う
皮膚科の治療範囲は、飲み薬などの投薬を主にニキビを改善します。保険適用で使用される機器も限られてしまいます。殆どが治癒すれば終わり、ということが多いでしょう。
美容皮膚科は、治療費は高いけれども、なりたい肌に近づくことができます。ニキビが治癒しても、ヒアルロン酸を注射したり、レーザー治療をしたり、ニキビにならない肌、それ以上の肌が作れる見込みがあります。
治療時間の違い
皮膚科の治療時間は平均で最短15分と言われています。症状を聞いて処置をして、処方箋を出すというとこですね。とこれが、美容皮膚科では、完全予約制で1時間~とります。しっかりカウンセリングをし、まず、あなたがどうなりたいかに寄り添うように、治療法を提案してくれます。綺麗な肌を取り戻すため、親身に話を聞いてくれる美容皮膚科を探しましょう。
美容皮膚科は、少し敷居が高いなと思った方は、まず、皮膚科へ行き、納得がいかなかったら美容皮膚科へ行くのもいいでしょう。
【ニキビ治療はエステよりクリニックが良い!】ニキビ肌におすすめの皮膚科治療とは?まとめ
いかがでしたでしょうか。皮膚科と美容皮膚科でのニキビの治療の違いには、保険適用のものが皮膚科、保険適用が少ないのが美容皮膚科でしたね。今では、美容皮膚科でも、保険適用の治療ができる所もあります。行く前に確かめておきましょう。
皮膚科でも、美容皮膚科でも、メリットデメリットがあります。自身が納得のいくほうを選び、ニキビ肌にサヨナラしましょう。